2025.11.28

テロップ、地味だけど重要|映像の印象を左右する“文字”の話

映像制作において、つい注目しがちなのは撮影のクオリティやBGM、ナレーションなどの“目立つ要素”かもしれません。 ですが、実は映像の印象を大きく左右する、もう

一見地味な存在ですが、テロップは“情報を伝える”だけでなく、“映像の雰囲気”そのものを支える要素でもあります。
今回は、現場でよく意識しているテロップの考え方や、フォント選び・色使い・配置・出し方など、実践的なポイントをご紹介します。

 

●1. テロップの基本は「視認性」

 

まず最も大事なことは、視認性=読みやすさです。
いくらデザイン的におしゃれでも、読めなければ意味がありません。

そのため、基本的にはゴシック系の太めの書体が使われることが多く、
背景に溶け込まないよう、白文字+黒縁などの組み合わせでしっかりと視認性を確保します。

特にスマホでの視聴が多い今、小さい画面でも“はっきり読める”ことが最優先
迷ったら「スタンダードにしておく」くらいの気持ちで十分です。

 

●2. フォント選び|伝えたい雰囲気に合わせて

 

フォントは「個性を出す」部分でもありますが、主張が強すぎると映像全体のトーンを壊してしまうことも。

基本は読みやすく視認性の高い“角ゴシック体”をベースとしつつも、

コブラ映像札幌では、内容や対象に応じて以下のような使い分けをしています:

・ 教科書体(おすすめ)

 

柔らかさと読みやすさのバランスが良く、特に人にやさしい取り組みを紹介する映像などにおすすめです。
ガチガチのゴシックでは固すぎるし、手書きすぎると幼く見える——そんな時に“ちょうどいい”存在。

手書き風フォント

 

子ども向けの映像やアナログ感を出したいときに使用。
「コンピュータっぽくない」演出をしたい時にも活躍します。

・ 明朝体

 

おしゃれに見せたいと思って使いたくなるフォントですが、一般的なテロップ用途では視認性が低くてやや使いづらい印象。
ただし、和風・クラシックな映像ではハマる場面もあります。

・ その他の限定的フォント

 

 ・丸ゴシック → 子ども向けや明るい雰囲気に合う。

 

 ・古印体 → 雰囲気は出るが、読みづらさが残る。ホラーっぽい。

 

※ちなみに最後のその他はあまり限定的な分、それ以外で利用することはお勧めしません。雰囲気が合わない動画をよくみかけるからです。

 

ポイントは、「文字の雰囲気が映像のトーンに合っているかどうか」。
ただ目立てばいいというものではなく、伝えたい印象に沿ったフォント選びが重要です。

 

●3. 色使いと装飾の工夫

 

テロップの視認性を保つうえで、色と装飾の調整も欠かせません。

・ 基本色

 

白+黒縁、または黒+白縁がオーソドックス。
背景に溶け込まないように、コントラストはしっかりつけることが大前提です。

・ ブランドカラーとの合わせ

 

たとえば、野球チームの動画であれば、メインカラー(ユニフォームカラーなど)をテロップに反映させることで、統一感が出ます。

・ 装飾(縁・座布団・影)

 

・縁取り(アウトライン) → 基本的な視認性の確保に使用

 

・座布団 → 文字の背景に四角形を敷くが、長文だと不格好になる場合あり

 

・ドロップシャドー → 適度な立体感と視認性アップに使える便利な技法

 

ただし、装飾のつけすぎは“ごちゃごちゃ感”の原因になります。
あくまで「読みやすく」「映像を邪魔しない」ことが前提です。

 

●4. 出し方・動かし方にも意味がある

 

 

テロップはただ置くだけでなく、**「どこから出すか」「どれくらいのスピードで出すか」**といった演出も重要です。

・フェードイン(じわっと出る)→ オーソドックスで上品

 

・スライドイン(横から出てくる)→ 映像の動きに合わせてダイナミックに

 

・1文字ずつ表示 → キャッチコピーやタイトルなど、印象的に見せたいときに有効

 

・カットで出す(パッと表示)→ 効果音に合わせたり、バラエティ感を出したいときに

 

出す位置も統一されている方が見やすいですが、被写体とのバランスによっては多少の調整も必要です。
被って読みにくくなるようであれば、動画全体のテロップの出し位置を再検討するか、出すタイミングを検討する必要もあります。

 

●5. 目立たせないテロップも、ひとつの“演出” コブラの小さなこだわり

 

 

意外かもしれませんが、「すべてのテロップを目立たせる必要はない」というのも、コブラ映像札幌のスタンスのひとつです。

たとえば、画面の隅に地名だけ表示するようなシーンでは、**“見えるようで見えない”**くらいの自然さが、映像全体の雰囲気を壊さずに情報を届ける方法になります。

映像の中でのテロップの役割は、「読ませる」だけではなく、空気をつくることでもあるのです。

 

●6. サイズ感にも“ちょうどよさ”がある

 

テロップの文字サイズは、大きすぎても小さすぎても読みにくくなるため、意外と悩ましいポイントです。

基本の目安としては、映画の字幕程度のサイズ感をベースに設定することが多く、
スマホでの視聴でもストレスなく読める範囲で設計しています。

また、伝えたい情報量が多いときには、
一度にすべてを表示するのではなく、適度に分割して表示することで可読性を確保します。

「たくさん書いてあるけど何も頭に入ってこない…」という状態を防ぐためにも、内容に応じた“間”と“分量”の設計が重要です。

 

 

 

●まとめ|読ませるために、読みやすく。そして映像になじむように。

テロップは派手な演出ではありませんが、映像全体の印象・信頼感・見やすさを下支えする非常に重要な要素です。

基本は視認性の高い角ゴシック体を軸に、内容や対象に応じてフォント・色・動き・配置を最適化することで、映像のメッセージが自然に、正確に届くように設計していきます。

ただ映像に文字を乗せるのではなく、その文字が“誰に・何を・どのトーンで伝えるべきか”を考えて丁寧に配置していく。

それが、コブラ映像札幌がテロップ制作において大切にしている姿勢です。

 

★「伝わる映像」を、一緒に。★

どんなに良い映像でも、伝えたいことが伝わらなければ意味がありません。
だからこそ、テロップひとつにも妥協せず、企画から編集まで丁寧に向き合う——
それがコブラ映像札幌のスタンスです。

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