2025.12.26

映像製作の質を上げるロケ地選びのコツ

こんにちは。札幌で映像制作を行っているコブラ映像札幌です。 今回は、ちょっと専門的な話になりますが「ロケ地選び」について、現場の視点からお話してみたいと思います。 普段はあまり表に出ない制作側の考え方も交えつつ、どんな工夫をして映像を撮っているのかをお伝えできればと思います。

●ロケ地は映像の「背景」

 

映像制作において、カメラや照明などの機材が大事なのはもちろんですが、実は「どこで撮るか」=ロケ地も作品の印象を大きく左右します。

というのも映像の内容と背景がズレていると、違和感が生まれてしまうからです。

たとえば飲食店の紹介映像を撮るとき、厨房の衛星状態があまり良くなければ、そのまま映すわけにはいきません。そんな時は、調理の手元をクローズアップして見せるなど、画角を工夫して「写したくないものを写さない」ことも必要になります。

逆に、伝えたいことにマッチしていない場所を提案された場合は、正直に「ここでは難しいかもしれません」とお伝えすることもあります。場所選びの段階で妥協してしまうと、最終的に伝わる映像が弱くなってしまうからです。

 

 

●「理想」を出してから「現実」に落とし込む

 

ロケ地選びのプロセスには、ある種のセオリーがあります。

 

①まず理想の背景やシチュエーションを自由に出してみる

 

②次に「現実的に可能かどうか」を検討

 

③実際に撮影可能な場所をリストアップし、交渉や許可取りを行う

 

たとえば、インタビュー映像ひとつとっても、内容によって背景を変えることでメッセージの深みが変わります。

 製造現場であれば「工場の工程が見える背景」が自然ですし、完成した製品であれば「製品もしくはそのポスターなどの背景」が適しているケースもあります。

オフィス紹介であれば、会議室よりも「休憩室」や「談笑スペース」の方がリアルな雰囲気が伝わることもあります。

こうした「連想ゲーム」のような感覚で、背景と内容の結びつきを考えることが、実は一番大事なポイントかもしれません。

私の場合、同じ会社様の同じ企画の動画でもインタビュー内容が異なる場合は、見てる人に違和感なく無意識に内容が伝わるようにインタビューごとに場所を提案することも少なくありません。

 

 

 

●音の世界観にも注意を:背景だけじゃない!

 

ロケ地の選定では、映像だけでなく「音」の問題も重要です。

 たとえば、背景に工事現場が映っていて工事音が入っているのであれば、それはむしろ自然な演出の一部になります。(とはいえうるさすぎると厳しいですが)

しかし、自然風景の中でトラクターが映っていないのに突然トラクターの音だけが入ると、視聴者は違和感を覚えます。

そんな時は、撮影位置を変えたり、音をあとから処理したりして、映像と音の世界観がずれないように調整していきます。

 

 


●ロケは準備がすべて

 

撮影本番よりも重要なのが、事前の準備です。

・シーンごとに理想の背景をリストアップ

・時間帯や天候も考慮してスケジューリング

・撮影場所の使用許可や撮影条件の確認

・第三者のスケジュールも把握(例:工場のB工程が必要でも、その日はA工程しか行われないことも)

「1日で撮りきりたい」というのは制作者側の都合であり、実際には現場のスケジュールや環境に合わせる必要があります。

 

 

 

●最後に

ロケ地選びは、ただ背景としての場所を探すだけでなく、「何を伝えたいか」を軸にした設計が求められます。

 私たちコブラ映像札幌では、映像の意図やコンセプトに合わせた最適なロケーションをご提案し、企画から撮影、編集までトータルでサポートしています。

「とりあえずどこかで撮る」のではなく、「伝わる場所で撮る」。
そんな映像づくりをご一緒できればと思います。

 

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